もふもふのブログ

ポケスペの考察や、pixivに投稿した小説のことを書きます。

二次創作語り①カーツとシャムが受けいれたもの

カーツとシャム

 

ポケスペの3章、金銀水晶編でロケット団の幹部として登場したカーツとシャムのお話です。

前半は本編のでの2人の簡単な考察、後半は私がpixivに投稿した作品、

EPISODE180.5

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18617375

について、書く上で考えていたことについて語ります。

もし良ければ、本ブログの前に読んでもらえると嬉しいです。

内容はざっくり言うと、仮面の男事件終結後、カーツの担当弁護士になったオリ主、カーツ、シャム、カンナの4人が、再び現れた仮面の男と戦うお話です。

 

ポケスペ3章本編のカーツとシャム

2人のモデルはポケットモンスター金、銀、クリスタルに登場するロケット団幹部、それから当時のポケモンカード(旧裏)の「ロケット団の暗躍」に描かれた2人だと思います。

ポケスペでの2人は3章のボス、仮面の男(マスク・オブ・アイス)の側近として、主人公らと敵対します。

仮面の男自ら幼少の頃より育てたエリート。

しかし自ら仮面の男に弟子入りしたわけではなく、ブルーやシルバー同様、拐われたみたい。

ソースは⬇日下秀憲先生のTwitterより。

にもかかわらず、2人の仮面の男への忠誠は相当なものです。

単行本12巻では、作戦に失敗した旧ロケット団の中隊長達にノリノリでお仕置をしたり、仮面の男と共に壇上で新首領のお披露目をしたりしています。

このコマの仮面の男さん、中々にシュールな表情。

なんだか微笑んでいるよう・・・ 

時系列が逆になりますが、9巻で団員を率いて登場した際も、2人ともノリノリで悪役をやってのけ、コミカル?な表情も見せてくれます。

wikiか何かのシャムかカーツのページで、「初登場時と性格が変わってる」的なことが書かれていたのを見たことがある気がする・・・

メタ的なことを言うと、設定が固まっていなかったのか、はたまたよく制作側もキャラ設定をよく考えていなかったのか。

カーツのシルバーへの反応を見るに、マスクド・チルドレン関係の設定は、9巻の時点でまだハッキリ決まっていなかったのかもしれないですね。

そして2人の最高の見せ場は、単行本13巻。

セキエイでのゴールド・クリス戦では文字通り、命をかけて任務を遂行。

敵を倒すことよりも、あくまでも仮面の男からの命令を優先します。

ここで疑問に思うのが、仮面の男に拉致られた身にも関わらず、何故ここまで忠実な側近であり続けたのか、という点。

何歳の頃に拉致されたのかはわかりませんが、いくら実の親より仮面の男と過ごした時間の方が長いからといって、こうなるでしょうか。

仮面の男がじっくり、時間をかけてマインドコントロールした、物心つく前に拉致された、とも考えられますが、個人的には「仮面の男にマスクド・チルドレンとして育てられる方が遥かに幸せと思える程の家庭環境、人生だった」という説を推しています。

私の知る限りですが、カーツとシャムの二次創作をされている方で、2人がまともな親・家族の元に生まれ育った、と解釈している方を見たことがありません(笑) 

そうなると、いかにも幸せそうな家族がいるブルー、(ロケット団のボスが父親とはいえ)親子仲は良好に見える幼少期のシルバーとは、仮面の男に連れ去られるということに対しての捉え方が全く異なります。

2人にとって、仮面の男は聖人に見えたでしょう。

本編で登場する2人は20代で、もういい歳なので、仮面の男は一般人から見て悪人で、自分たちのやっていることは悪いことだ、何てのは当然認識できていると思います。

それでも、従う。

2人にはそれしかありませんし、それこそが人生だからです。

人間ですから、何かしら思うこと、考えることはあっても、そんな感情は全部仮面の下に隠している。

物理的に仮面を被っていない時だって、2人は見えない仮面で自分たちの心を隠しています。

前述した、2人がノリノリで悪役をやっているのも、悪役という仮面を被って任務を遂行しているから、だと解釈できます。

カーツに関しちゃ、わざと大袈裟に悪役ぶっているようにも見えます。

FF7のツォン的な・・・

性格、キャラが変わっているように見えるのも当然、自分の感情を殺して悪役を演じているんだから、台本や演技指導がある訳でも無いので、キャラがブレるのはしかたありません。

仮面の男、マスク・オブ・アイスにも言えることですが、「悪いとわかっていても成し遂げる、貫く」時には、優しさや倫理観は邪魔になるので、彼ら彼女らの仮面は、それを隠すためのアイテムなんですね。

 

EPISODE180.5を書く上で考えたこと

ここからは私の二次創作、

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18617375

を書く上で考えていたことを語ります。

まだ読まれていない方は読んでもらえると嬉しいです。

「お前の二次創作なんか興味無いわ!」という方はここでブラウザバックで(笑)

この作品、最近投稿したサカキの過去編と、いつか投稿予定のレッド×ナツメの小説で三部作にする予定なんですが、このシリーズで一貫して私が拘っているテーマは、「受け入れること」です。

主要な登場人物はオリキャラも含め、それぞれが何かを受け入れ、前に進むことを描きたいと考えています。

主としてカーツをメインにしていますが、彼はある程度、元から本編でも自分の運命を受け入れています。

では彼が受け入れることなく目を逸らしていることは何か、それは自分の人間的な部分、感情、欲求です。

彼も人間なわけですから、仮面の下にはきっと、家族と仲良く暮らしたい、好きな人と幸せに暮らしたい、誰かに優しくしたい、優しくされたい、そんな心が隠されているはず。

(すみません、カーツ×シャムのカップリング前提で考えてます(笑)恋愛脳ですみません(笑))

普通の人間ならそれを隠す必要も無いですし、それらを満たすために生きていこうとします。

しかし彼の場合は逆で、任務遂行のためにそんな心は邪魔になるわけです。

そして仮面の男事件終結後、ヤナギの目的が達成された後はもう、自分の役割は終わり、空っぽの存在として生きていくか、人生に幕を下ろすか。

ポケモン協会の司法取引を持ちかける弁護士が来ようが無視、そんな奴らに媚びへつらうくらいなら裁かれた方がマシだと考えます。

そんな中、彼の隠された感情を揺さぶる出来事が2つ。

マスクド・チルドレンのみんなや、ヤナギと幸せに暮らすという夢を見たこと、そして偽仮面の男の出現です。

前者からは深層心理で皆と普通の人生を歩みたいという欲求を抱いていること、後者からはヤナギを冒涜する存在へ怒りという感情を持ったことを自覚します。

本編でも表情豊かだった彼ですが、それは「悪役」という演技。

悪役らしく怒ったり、高笑いしている仮面の下には演技=任務に徹する無の表情の仮面。

そしてその更に下に、欲求や感情という彼の素顔を隠しているという複雑な状態なんですね。

二重の仮面が少しずつ剥がれて、オリ主の弁護士に心を開き、そして最後は素直な心でシャムと抱擁を交わします。

それは彼が、自分が欲求や感情を持つ人間であることを受け入れて、未来に進む最初のラインに立てたことを表しています。

シャムに関しては心理描写をあまり書いていませんが、概ね同じと考えています。

カーツと異なる点は、担当弁護士となったカンナと割と良好な人間関係を築いていること。

これはカンナが自分と同じ元悪人、それもただ私利私欲で犯罪を犯す者ではなく、理想のために悪鬼になった者で、ヤナギと同じこおりタイプの使い手であることから、すぐに打ち解けた、ことが理由だと思います。

カンナはカンナで、この作品の中では協会に飼われている設定です。

本当は理想を捨てきれないけど、とりあえずこうするしかない、不本意ながら今の道を選んでいます。

その証拠に、偽仮面の男がカンナの理想の話をしてきた際、動揺を見せています。

しかし、彼女は積極的に偽仮面の男の正体を探ろうとし、協会の捜査官兼弁護士の任務を全うします。

彼女なりにヤナギや、ヤナギを慕うシャム、仮面の男の姿を借り、悪事を働く偽物に思うところがあったのでしょう。

カンナの心理描写も少ないですが、彼女は彼女なりに、どうにかしてあげたいという思いを抱きました。

自分が置かれている状況を受け入れ、自分が成すべきと思ったことに全力を出しました。

5章で打倒ロケット団を掲げ、かつての敵と共闘してでも、全力で戦った彼女の姿から逆算して考えた設定です(笑)

今作のオリ主もまた、自分の理想からかけ離れた、形だけの裁判に置物同然に立つだけの自分、それに甘んじている、かっこ悪い自分を受け入れた上で、自分の心に従ってカーツと共に戦います。

人間生きていれば、認めたくないけど受け入れるしか無いものがあります。

それは環境だったり、自分自身の性格だったり、様々です。

そこから目を逸らしたまま生きていくのと、受け入れて先に進むとでは大違いだと私は思います。

・・・

なんて偉そうなことを言っていますが、この二次創作が矛盾だらけにならないように、もしも今後カーツ、シャムが本編に出ることがあるなら、それが主人公らの敵であっても、味方であっても、2人が心スッキリな状態で登場して欲しい、というのが私の願いです(笑)

せっかくヤナギが再登場したわけですから、2人が心から正しいと思える人生をおくっている姿を見せて欲しいですね。

 

最後に、このEPISODE180.5を書くにあたって聞いたイメージソングをご紹介します。

「自分の書いた(それも二次創作)小説にイメージソング!?痛いなぁ・・・」と思われるかもしれないですが、すみません、逆にイメージソングが無いと書けないんです・・・笑

ALTIMA「I'll believe」...灼眼のシャナのEDです。カーツが覚悟を決め、弁護士と2人で偽仮面の男との戦いに挑む際の心情と重ねて聴いていました。歌詞はあまり関係ない、雰囲気がそれっぽいな、という感じ。

米倉千尋「永遠の扉」...機動戦士ガンダムOVA第08MS小隊の曲です。仮面をはいで、未来に進むカーツとシャムのイメージ。どんな気持ちや痛みも2人で(できることならヤナギと3人で)抱えて、生きていこうという前向きな気持ち。

ZARD「少女の頃に戻ったみたいに」...名探偵コナンの劇場版の曲。個人的にEPISODE180.5のエンディングと思ってます(笑)カーツの前だけでは、普通の女性になれる、そんなシャムの気持ちとマッチしているように思えます。